薄毛・AGA

【男性ホルモンが薄毛を進行】男性ホルモンが薄毛・AGAに与える影響

男性の薄毛のほとどんどは「AGA(男性型脱毛症)」です。

また、AGAは放っておくと、そのままどんどん進行し、おでこの生え際の”前頭部“やつむじがある”頭頂部“の髪の毛がどんどんなくなり、禿げていってしまいます。

ただ、現在に至るまでのさまざまな研究から、AGAの原因は明らかになってきており、それは大きく分けて「遺伝」「男性ホルモン」の2つとされています。

遺伝に関しては、残念ながら自分ではどうしようもできません。

(男性の場合、母方の祖父が薄毛かどうかがひとつの目安になるという説もあります。)

ただ、「男性ホルモン」に関しては、「ミノキシジル(リアップ)」などの外用育毛剤や「フィンステリド内服薬(プロペシア)」などで対処することができます。

ですが、薄毛と男性ホルモンがどのように関係しているかを理解せず、ただ育毛剤を使っても、その効果や意味がわからないので、途中でやめたり、続かなかったりします。

そこで、今回は男性ホルモンが具体的にどのように男性の薄毛やAGAに影響するのかをわかりやすく解説します。

そのため、薄毛・AGAと遺伝の関係を知りたい方はチェックしてみてくださいね!

また、この記事は以下の医師によって監修されています。

【この記事の監修医師】プレシャスクリニック自由が丘 院長
清水 祐紀(しみず ゆうき)

1984年昭和大学医学部を卒業。その後、形成外科名門である昭和大学医学部形成外科で形成外科専門医を取得。日立総合病院で、形成外科医長を歴任後、1995年昭和大学病院形成外科病棟医長、医局長を経て、1998年より講師、2005年に准教授に就任。2017年4月、プレシャスクリック自由が丘の院長に就任。

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【男性ホルモンを促す!?】
男性ホルモンと薄毛・AGAの関係

薄毛・AGAの2大要因は「遺伝」と「男性ホルモン」です。

遺伝の要素は大きく、家系にまったくAGAがいない人は男性型脱毛症になることはありません。

逆に、薄毛の人がいればAGAになる可能性は高くなります。

ただ、遺伝に関しては、どうすることもできません…。

そして、薄毛になる過程では、必ず男性ホルモンが何らかの形で働いています。

また、幸いなことに、現在に至るまでのさまざまな研究で

男性ホルモンがどのようにかかわっているのか

が科学的に解明されています。

そこで、以下では男性ホルモンと薄毛・AGAの関係について、わかりやすく解説します。

男性ホルモンは毛髪の成長を阻害する

男性ホルモンは髪の毛を薄くする一方で、体毛やヒゲを濃くすることにもかかわっています。

(どうして髪の毛を薄くする働きがあるのか、怒りを覚えますよね…。)

つまり、男性ホルモンは部位によって働き方がちがうのです。

そもそも、毛髪は以下のように「成長期」「退行期」「休止期」という一定のサイクルを通して、毛が成長したり、抜けたりしています。
そして、男性ホルモンは、この毛髪の周期と成長を阻害することがわかってきました。

毛髪の1本1本は以下の図のようになっており、それぞれ「毛母細胞」と「毛乳頭」というものがあります。
そして、髪の毛はこの2つの細胞が相互作用することで成長します。

そこに深くかかわってくるのが、男性ホルモンの一種である「テストステロン()」という物質です。

※テストステロンは比較的弱い男性ホルモンです。

このテストステロンが血液を巡って毛乳頭の細胞の中に入ると、「5α還元酵素()」によって「ジヒドロテストステロン(以下、DHT)」という強力なホルモンに変化します。
※「5α還元酵素」にはⅠ型とⅡ型があり、薄毛やAGAに関わるのはⅡ型とわかっています。

その後、そのDHTが細胞内ですぐに特定の受容体()と結合すると、髪の毛の発育を抑制するシグナルが出され、薄毛につながっていきます。

※特定の受容体とは「アンドロゲン受容体」のことです。

ちなみに、最初に「遺伝」が影響することをお伝えしましたが、その遺伝はこの受容体とかかわっていることが明らかになっています。

(ただ、どんな仕組みになっているかはまだ明らかになっていません。)

そのため、一般的に言わているように、「帽子をかぶる」とか「毛穴が詰まる」とかは、基本的に薄毛と直接的な関係はありません。

【男性の薄毛のメカニズムは?】
成長期の速さが数ヶ月~約1年に短縮する

男性の薄毛や単に生活習慣の乱れや皮脂、蒸れなどで説明できるものではなく、もっと深い「遺伝」と「男性ホルモン」が関わっていることについてご理解いただけたと思います。

ここまでを踏まえて、薄毛・AGAとは、どんな状態のことを指すのか?

薄毛やAGAは、簡単にまとめると

成長期の速さが数ヶ月~約1年に短縮すること

と説明できます。

先ほどもお話したように、毛髪は以下のように「成長期」「退行期」「休止期」という一定のサイクルがあります。

また、正常であれば、成長期は「約2~6年」、退行期は「約2週間」、休止期は「3~4ヶ月」とされています。

ですが、そこに先ほど解説した男性ホルモンが関与することで、成長期の速さが数ヶ月~約1年に短縮し、薄毛やAGAを進行します。

そして、この成長期が短くなると、太くて丈夫な毛を作ることができず、細くてやわらかい毛のまま成長期を終了し、そのまま退行期に移ります。

その後は休止期→成長期となっていきますが、このサイクルのなかで短く、やわらかい毛(軟毛)が抜けてしまいます。

そのため、抜け毛が多くなった人は「短い抜け毛が多くなった」と口にする方も少なくありません。

つまり、AGAは、毛髪の成長期が短くなって、そのまま毛周期をを繰り返すうちに、太くて丈夫な髪の毛を形成できなり、細くてやわらかい軟毛の状態で抜ける症状を指すのです。

また、AGAの場合、この「軟毛化」は前頭部(つむじ周辺)や頭頂部(おでこの部分)から起こるのが特徴です。

【どんな治療が科学的に効果がある?】
「5α還元酵素Ⅱ型」の阻害が重要!

AGAに関しては情報は乱立しており、科学的なエビデンスがあまりない治療情報についても広まっています。

ただ、本気で悩んでいて、かつ、お金をかけて治療を受ける以上、なるべく科学的な効果が証明された治療を受けたいですよね。

また、薄毛・AGA治療にはさまざまな種類があります。

そのなかで、今回解説した「男性ホルモン」の観点から考えると、テストステロンをより強力な男性ホルモン”DHT“に変える酵素「5α還元酵素Ⅱ型」の働きを阻害することが必要です。

また、AGAの治療に関しては、2010年に日本皮膚科学会が『男性型脱毛症治療ガイドライン』を策定しています。

ここまでの内容を踏まえて、男性ホルモンにアプローチするAGA治療で一定の効果があるとされている治療法は以下の3つです。

内服薬フィナステリド

内服薬デュタステリド

外用育毛剤(「ミノキシジル」など)

では、それぞれの治療法について、もう少し詳しく見てみましょう。

【内服薬フィナステリドとは?】
効果や服用量、使用上の注意を解説!

AGAの治療としてガイドラインで強く勧められている治療法のひとつに内服薬である「フィナステリド」があります。

日本では「プロペシア」などと呼ばれています。

この薬剤は、「5α還元酵素Ⅱ型」を阻害する作用があります。

基本的には、男性ホルモンの一種である「テストステロン」とよく似た構造を持っています。

具体的には、フィナステリドがテストステロンから「5α還元酵素Ⅱ型」を奪い合う形式で、酵素の働きを阻害します。

そして、この阻害効果によってテストステロンがより強力なDHTに変換されるのを抑える効果をもちます。

フィナステリドは、このような作用をすることで薄毛の進行をおさえます。

ですので、AGAとはまったく異なる”円形脱毛症”には効果はないので注意しましょう。

フィナステリドの効果

フィナステリドの効果については、さまざまな研究があります。

日本の臨床試験では、「やや改善()」以上の効果は、1日あたり1mgを48週間内服すると58%、3年間内服すると78%でした。

※ここでの「やや改善」は頭髪を撮影した写真を用いて、ルックスが改善しているという意味で解釈してください。

見かけ上の効果がわかるまでは約6ヶ月の投与が必要で、効果持続のためには継続的な服用が必要です。

また、内服を開始してから3ヶ月程度で「抜け毛が減った」などの効果を感じられることが多いです。

フィナステリドの種類

また、フィナステリドは、錠剤の形になっており、0.2mg錠と1.0mg錠の2種類があります。

ちなみに、日本でおこなわれた臨床試験で0.2mg錠と1.0mg錠の間に明確な効果の差が認められなかったため、2種類の錠剤が販売されています。

ただ、AGAは確実に進行していく病態で、海外のデータでは、0.2mg錠と1.0mg錠の間に効果差が示されています。

ですので、十分の効果を得るには、1日あたり1.0mg錠の投与を勧められることが多いです。

フィナステリドの副作用や注意

フィナステリドは20歳以上の男性におけるAGAにのみ使うべき薬剤です。

臨床試験における副作用の報告は以下のようになっています。

承認時の国内臨床試験において、調査症例276例中

副作用は12例(4.3%)

リビドー減退3例(1.1%)、

勃起機能不全2例(0.7%)、

その他9例(射精障害、精液量減少、下痢、胃不快感等)
※いずれも1%未満

次にご紹介するデュタステリドよりは副作用のリスクは低いとされています。

また、この薬剤を服用する上で注意すべきことがひとつあります。

フィナステリドを内服すると前立腺癌マーカーである血中前知流線特異抗原(PSA)が約半分に減少します。

そのため、フィナステリドを内服している間は前立腺癌の検査で血中PSAを測定したら、約2倍に換算する必要があります。

フィナステリドの価格

【プロペシア】
1mg×28錠:8,200円(税込)
28錠×5(140錠):38,500円(税込)

※ジェネリック※
28錠:4,300円(税込)
140錠:20,000円(税込)

【内服薬デュタステリドとは?】
効果や服用量、使用上の注意を解説!

近年、新たに「デュタステリド」という内服薬も開発され、注目を集めています。

こちらも、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でも推奨度Aの治療法です。

ちなみに、2015年に厚生労働省よりAGA治療薬として認可され、「ザガーロ」という商品名で16年から販売されています。

デュタステリドの効果

効果に関しては、デュタステリドは内服開始後、6ヶ月の時点では、フィナステリドに比べて毛髪数などで優れているという結果が出ています。

デュタステリドは半減期()がひじょうに長く、数週間にわたります。

※薬成分の血中濃度が半減するまでの時期

それに比べてフィナステリドの半減期は数時間です。

つまり、デュタステリドの薬成分は、フィナステリドに比べて体に長くとどまることがわかっており、その点が効果の差の要因とも考えられています。

デュタステリドの副作用や注意

以下のようにデュタステリドは、フィナステリドに比べて肝機能障害や精力減退、精子力の減少など、副作用の発現率が高めですので、その点は考慮する必要はあります。

第Ⅱ/Ⅲ相国際共同試験において、本剤が投与された総症例557例(日本人120例を含む)中、

副作用は95例(17.1%)

勃起不全24例(4.3%)、

リビドー減退22例(3.9%)、

精液量減少7例(1.3%)

日本人120例中、

臨床検査値異常を含む副作用が報告された症例は14例(11.7%)

リビドー減退7例(5.8%)、

勃起不全6例(5.0%)、

射精障害2例(1.7%)(承認時)

【出典】ザガーロ・プロペシアの比較|浜松第一クリニック

デュタステリドの価格

【ザガーロ】
0.5mg×30カプセル 9,500円(税込)
30カプセル×5箱 45,000円(税込)
※5箱以上で1箱あたり9,000円

【育毛剤「ミノキシジル」とは?】
効果や服用量、使用上の注意を解説!

塗り薬として育毛剤がありますが、そのなかでAGAの治療薬として以前から使用されており、優れた効果で臨床試験で示されているのが「ミノキシジル」というローションです。

これは「リアップ」という商品で販売されています。

この薬は、もともと血管拡張剤として開発され、高血圧の人が服用していましたが、その副作用で体毛が濃くなってきたことから、育毛剤への転用が進みました。

また、ミノキシジルローションは、毛乳頭からVEGFという成長期維持因子を産出させて、育毛効果を発揮するとされています。

男性用として5%ローションが販売されています。

また、価格に関しては、種類によって多少値段は異なりますが、7,000円前後で購入できます。

また、先ほどご紹介したフィナステリド内服とこの薬の外用を同時におこなうと効果はさらに高くなるとされています。

さいごに

ここまで、男性の薄毛・AGAと男性ホルモンの関係、そして、男性ホルモンへのアプローチをするAGA治療方法について、解説してきました。

AGAの大きな原因は「遺伝」と「男性ホルモン」の2つです。

(生活習慣も間接的に影響している可能性があります。)

そのため、薄毛に悩んでいる方で、かつ、科学的な効果がある治療をしたいという方は、内服薬のフィナステリドやミノキシジルなどの育毛剤を使用することを推奨します。

ただ、このほかにも自毛植毛術がガイドラインでも勧められています。

ただ、手術が効果になりやすいですが、見かけの変化は薬剤で治療する際もすぐに現れるというメリットもあります。

そのため、今回ご紹介した治療法も含め、ご自身にとってベストな方法を選ぶようにしましょう。