薄毛・AGA

育毛剤の有効成分「ミノキシジル」の2つ効果と副作用・リスクを解説

「育毛剤のミノキシジルってどういう成分なの?」

「ミノキシジルってどんな仕組みで薄毛を改善するのは?」

育毛剤の主成分として使用されている「ミノキシジ」。

(「ミノキシジル」は薬名ではなく、成分名です。)

ミノキシジルは、育毛剤や内服薬としても使用されています。

また、ミノキシジル配合の育毛剤に関しては、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」で推奨度Aの治療法として認められています。

ただ、臨床実験などでは副作用の報告などもされています。

そのため、それらのリスクをしっかりと理解しないで使用すると、副作用があなたにもたらされる危険もあります。

そこで、今回は、育毛剤などの主成分であるミノキシジルの薄毛に対しての作用やその他の効果・効能副作用・リスクなどについてわかりやすく解説します。

また、この記事は以下の医師によって監修されています。

【この記事の監修医師】プレシャスクリニック自由が丘 院長
清水 祐紀(しみず ゆうき)

1984年昭和大学医学部を卒業。その後、形成外科名門である昭和大学医学部形成外科で形成外科専門医を取得。日立総合病院で、形成外科医長を歴任後、1995年昭和大学病院形成外科病棟医長、医局長を経て、1998年より講師、2005年に准教授に就任。2017年4月、プレシャスクリック自由が丘の院長に就任。

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【そもそもミノキシジルってなに?】
高血圧の人対象の血管拡張剤として開発

ミノキシジルはアップジョン社(現Johnson&Johnson社)が開発した薬剤で、高血圧症治療の内服薬の成分として1979年からアメリカで使用され始めた歴史があります。

そのため、元々は育毛剤として使用されていたのではなく、高血圧の方向けの”血管拡張剤”として使用されていたのです。

そのとき、たまたたま副作用の影響で治療中の患者の体毛が濃くなってきたことをきっかけに、外用の発毛剤の成分として開発・転用が進められました。

そして、1988年にアメリカで厳密な臨床試験を経て有用性が確認され、医薬品としての発毛剤が誕生しました。

現在では、日本を含めて世界90ヵ国以上で承認され、薄毛・AGA治療において使われています。

【ミノキシジルはどのように作用するの?】
薄毛・AGAにおけるミノキシジルの効果効能

ミノキシジルは、AGA(男性型脱毛症)に効果的な成分とされています。

(男性の薄毛の殆どのが、このAGAだと言われています。)

ミノキシジルは、詳細なメカニズムはまだわからないことも多いのですが、どのように薄毛に作用するかについて、少しずつわかってきます。

そこで、以下では、ミノキシジルがどのように男性の薄毛・AGAを改善するのかについて解説します。

ただ、ミノキシジルの作用を理解するには、そもそもAGA(男性型脱毛症)がどんなメカニズムなのかを知る必要があるので、まずはそこから見ていきましょう。

【AGAってそもそも何?】
AGA(男性型脱毛症)のメカニズム

日本人のの頭髪は約10万本、多い人で約13~14万本、少ない人で約6~7万本と言われています。

また、毛髪には以下のように「成長期」「退行期」「休止期」の3つのヘアサイクルがあります。

成長期に毛母細胞という細胞が分裂を繰り返すことで、太くて長い毛がつくられます。

そして、退行期では細胞分裂が停止し、休止期に髪の毛が抜けていきます。

そして、休止期から成長期にかけて、また新しい髪の毛が作られる、というようなヘアサイクルになっています。

ヒトの毛髪の場合、成長期が「約2~6年」、退行期が「約2~3週間」、休止期が「約3ヶ月」とされています。

ただ、AGAの2大要因のひとつとされる「男性ホルモン」が作用し、このヘアサイクルを乱すことによって、成長期の速さが数ヶ月~約1年に短縮することがあります。

そうなると、本来もっと太くて長い”丈夫な髪の毛”になってから抜け落ちるはずが、細くて短い”軟毛”状態で抜け落ちてしまいます。

そして、それがどんどん進行することで、軟毛が増えると同時に抜け毛も増え、前頭部や頭頂部の薄毛が目立つようになります。

このような状態を「AGA(男性型脱毛症)」といいます。

【ミノキシジルはどんな効果がある?】
ミノキシジルがAGAにもたらす2つの作用

AGAのメカニズムがわかったところで、実際にミノキシジルはどのようなプラスの影響をもたらすのかについて、わかりやすく解説していきます。

ミノキシジルの効果は主に以下の2つです。

■新しい毛髪が生えるスピードを促進

■細く軟毛化した毛髪を太い毛に成長させる

では、それぞれの効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。

■新しい毛髪が生えるように促進

まず、ミノキシジルには、髪の毛の元となる”毛母細胞”の分裂を促し、育毛・発毛を促進する発毛シグナル「インスリン様成長因子1(IGF-1)」や「血管内皮細胞増殖因子(VEGF)」の産出を促す作用があるとされています。

そのため、抜け毛が見られる休止期から成長期の間にしっかりと「次の新しい毛を作りなさい!」という指令を出され、次の新しい毛が生成されるように促してくれます。

■細く軟毛化した毛髪を太い毛に成長させる

先ほどのAGAのメカニズムのお話で、AGAは

“本来、2~6年ある毛髪の成長期が半年~1年に短縮した状態”

であることをお伝えしました。

つまり、AGAが進行すればするほど、男性ホルモン(特に”ジヒドロテストステロン”)の影響で、ヘアサイクルに変化が起こります。

そして、髪の毛が成長途中で抜け、髪の毛の成長に必要な毛包がどんどん小さくなっていってしまいます。

そこで、それを救ってくれるのが”ミノキシジル”です。

ミノキシジルは、ヘアサイクルの変化によって小さくなった毛包に働きかけ、大きく深く成長させることで、細く軟毛化した毛髪を太い毛に成長させる効果があります。

ちなみに毛髪の成長に重要な”毛包”を大きく、深くするミノキシジルの作用を「ディープグロース効果」といいます。

【どれくらいの効果があるの?】
臨床データで見る発毛効果(長期投与試験)

ミノキシジルの育毛剤による発毛効果がどのくらいあるのか、臨床データをもとにここでは解説していきます。

医師の評価(使用52週)によるデータ

大正製薬が開発したミノキシジル5%製剤「リアップX5プラス」の臨床試験では、24週(約6ヵ月)のほかに、52週(約1年)の長期投与も行い、長期の継続使用の効果を計測しました。

その結果が以下の通りです。

【出典】リアップX5プラスの発毛効果データ|大正製薬

■著明改善:密度の高い毛髪成長

薄くなった領域がほぼ完全に被われている。
毛髪の密度は薄毛化していない領域とほぼ等しい。

■中等度改善:中等度の毛髪成長

薄くなった領域が、新発毛により部分的に被われているが、薄くならなかった領域に比べると密度は低い[容易に識別できる]。

■軽度改善…:軽微な毛髪成長

明確な毛髪成長がみられるが、薄くなった領域をかなり被うということはない。

■不変:可視的毛髪成長なし

■悪化:毛髪成長の後退
※データ上、小数点第2位を四捨五入しているため、グラフの合計が100.0にならない箇所があります。

■リアップX5の副作用発現率8.0%

主な副作用・・・湿疹2.0%、毛のう炎2.0%、接触皮膚炎2.0%
n=50

【引用元】リアップX5プラスの発毛効果データ|大正製薬

4週間毎に、「著明改善」「中等度改善」「軽度改善」「不変」「悪化」の5段階の評価をまとめています。

データからもわかるように、4週間後にはすでに軽度改善が見られるようになり、8週間後には被験者の1割以上に、12週間後には6割近くに軽度改善が見られていることがわかります。

24週間後、つまり約6ヵ月後からは「軽度改善」「中等度改善」「著明改善」をあわせて、実に9割以上にが改善という結果になっています。

24週間後から「軽度改善」より「中等度改善」の評価の割合が高くなっています。

そのため、最低半年~、そしてより長く継続することで、改善の度合いも高くなることが期待できます。

被験者の印象(発毛に対する効果)

【出典】リアップX5プラスの発毛効果データ|大正製薬

これは臨床データはリアップX5長期投与試験の、被験者の発毛に対する効果の印象をグラフ化したものです。

リアップX5を1日2回使用して4週間ごとに被験者自身が自分自身の毛髪の状態を「非常に良くなった」「良くなった」「少し良くなった」「変わらなかった」「悪くなった」の 5段階で評価しています。

「少し良くなった」までを含めると、使用12週間後で4割以上の方が発毛効果を実感していることがわかります。

また、使用52週終了時では9割以上の方が発毛効果を実感していることが見て取れます。

総毛髪数の変化(1㎝2当たり)

【出典】リアップX5プラスの発毛効果データ|大正製薬

こちらの臨床データはリアップX5を使用した被験者の1㎠当たりの総毛髪数の変化についてのグラフです。

使用開始4~24週間後まで4週ごとに、開始時と同一部位(1㎠)における毛髪数の変化を確認し、その増減数を示したグラフになっています。

4週間後では1.4本だった増加数が、8週間後では19.0本となり、24週終了時では開始時から21.8本増加していることがわかります。

総毛髪数の変化

【出典】リアップX5プラスの発毛効果データ|大正製薬

こちらの臨床データはリアップとリアップX5を使用したそれぞれの被験者の1㎠当たりの総毛髪数の変化をグラフに表したものです。

使用開始4~24週間後まで4週ごとに、開始時と同一部位(1㎠)における毛髪数の変化を確認し、その増減数を示しています。

4週間後ではリアップでの増加数0.8本、リアップX5での増加数1.4本とその差が0.6本でしたが、24週終了時ではリアップでの増加数15.4本、 リアップX5での増加数21.8本と6.4本の差があることがわかりました。

【ミノキシジルってどんな種類がある?】
“育毛剤”と”タブレット”の2種類

ミノキシジルには、外用薬である”育毛剤”内服薬の”タブレット”があります。

ただ、日本で認められているのは、ミノキシジル配合の外用薬である「リアップ」シリーズす。

また、ミノキシジルの内服薬であるタブレットは、日本では認められず、副作用のリスクも高いとされています。

(ちなみに、AGAの治療薬として認可している国も今のところありません。)

そのため、ミノキシジルによる治療をする場合は、育毛剤の形で使用することをおすすめします。

【ミノキシジルの副作用は?】
使用前に知っておきたい副作用・リスク

ミノキシジルは、副作用のリスクも少なからずあります。

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、ミノキシジルの育毛剤において、以下のような副作用のリスクがあると示されています。

■頭皮のかゆみ(瘙痒症)

■表皮が薄い断片となってはがれ落ちる。(落屑)

■毛包炎

■接触皮膚炎

■顔面の多毛

また、内服薬のミノキシジルの場合、以下のような副作用のリスクがあるとされています。

■胸の痛み

■心拍数増加

■動悸

■息切れ

■呼吸困難

■うっ血性心不全

■むくび

■体重増加

内服薬のミノキシジルについては、このような副作用のリスクが高く、かつ、国からの認可も受けていないので、使用しないようにしましょう。

【さいごに】
用法用量を守って使用することが大切

ここまで、育毛剤の主成分である”ミノキシジル”の効果効能や副作用・リスクについてわかりやすく解説してきました。

ミノキシジルの育毛剤はもちろん、ほかの薬剤に関してもしっかりと用法用量を守って使用することが大切です。

また、育毛剤だけぬっても髪の毛は生えてきません。

しっかりと髪の毛の土壌となる頭皮の環境であったり、丈夫な髪の毛をつくるための栄養・食生活なども大切です、

これらをしっかりと守った上で、ミノキシジル配合の育毛剤を使用するようにしましょう。